第106回 認知症介護 報道特集「どう防ぐ? 認知症事故」

 TBSの「報道特集」というテレビ番組で「どう防ぐ? 認知症事故」というテーマでの特集が組まれていました。

一昨日、2019年1月26日のことです。

その中で特に印象的だったのが、福岡県大牟田市の全市を挙げての取り組みと、名古屋市のコンビニチェーンの取り組みです。

大牟田市では、「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」というのを大々的に実施しています。

平成16年に一部の校区で始まったものが、その後、全市に広がったようです。

訓練として徘徊の情報を衣服の特徴などと一緒に流し、その衣服の認知症役の方が、市内を歩き回る。情報を受けた人たちが、その特徴の人を見かけたら、「どうされましたか?」などと声をかける。学生や生徒も参加して、慣れない声掛けを一生懸命していました。

大牟田市では、認知症コーディネーターの養成も積極的に実施しているようです。

認知症に対する取り組みの先進地域の一つとして、大牟田市も確実に挙げられますね。

大牟田市の認知症に対する取り組みについては、平成25年11月に大牟田市長寿社会推進課から出された「まちで、みんなで認知症をつつむ ~大牟田市の取り組み~」をご覧ください。

もう一つの名古屋市のコンビニチェーンの取り組みは、認知症の父親を亡くした女性の訴えから実現していった取り組みです。

その女性の父親は、認知症が原因で、外出先から戻って来られないことがたびたびあったそうです。

デイサービスからコートも着ないで出て行ったその父親は、河原で亡くなっているのが見つかったそうですが、その前にコンビニに立ち寄っていたことが分かりました。

「家を探しています。電話番号は分からない」と父親は言ったようですが、レジが混み始めたため、店員もそれ以上の対応はせず、そのうちに父親は店を出て行ったと言います。

「こんなつらい気持ちを他の誰にも味わってほしくない」と、その女性はコンビニ業界団体の日本フランチャイズチェーン協会に「コンビニで認知症患者に対応してほしい」というメールを送り、店員の研修で父の事例を周知するように働きかけました。

それが実を結んだ形です。

番組では、コンビニ店員の研修会で、グループワークをしている様子が、紹介されていました。

この取り組みについては、朝日新聞デジタルにも記事がありました。

朝日新聞デジタルの有料記事ですが、もとの記事はこちら。→「認知症見守り、コンビニ業界が連携 名古屋、系列横断で

第105回 認知症介護 ラジオの介護番組のパーソナリティー金山雅俊さん

 ラジオの介護番組のパーソナリティーである金山雅俊さん(64歳)が、昨日(2019年1月26日)、朝日新聞の「ひと」欄に紹介されていました。

「なかまで介護」という介護専門の番組でパーソナリティーを務めている方です。

東京都葛飾区のコミュニティーFM局「かつしかFM」の番組とのこと。

私は地方在住ですので、この記事を見るまで、「なかまで介護」というラジオ番組も、金山雅俊さんのことも知りませんでした。

金山さんは、50代まで全国に数十店舗を構えるとんかつ屋の経営をされていたらしく、その経営経験が、現在代表をされているグループホームでも生かされています。

金山さんは区内で二つのグループホームの代表も務めているのです。

20年余り前にお父様が認知症を発症され、いくつかの施設に預けたのですが、尊厳を大切にするケアとは感じられず、尊厳を大切にするケアをする施設を作ろうと、自ら施設を立ち上げたのです。

介護福祉士の資格も取得され、企業や団体で認知症サポーター養成の講師も務めていらっしゃいます。

「元気なうちに少しずつ終活を。人生の片付けは余生を輝かせる。家族も心の準備ができる」と金山さんは言います。

昨日は「報道特集」というTBSのテレビ番組で「どう防ぐ? 認知症事故」というテーマでの特集が組まれていました。

私が介護経験をし、当事者意識があり、アンテナを張っているからかもしれませんが、自治体の認知症への取り組みも増え、認知症を自分のことととらえる人が、増えている感じはします。

うれしいことです。

しかし、また一方で、先日(2019年1月19日に逮捕)、福井県で起きた介護疲れによるものと考えられる殺人事件のようなことも、まだまだ起きています。

悲しいことです。

あの事件も決して他人事ではありません。

よく事情も知らないのに、軽率に発言できませんが、福井新聞ONLINEの記事にある「一さんと同級生だったという女性は『勤めながらの在宅介護は本当に大変。苦しかったんでしょう。殺意がないと話しているのも本音だと思う。今回の事件は誰も憎めない』と寂しそうに話した。」などから考えて、情状酌量されることを望みます。

朝日新聞デジタルの有料記事ですが、もとの記事はこちら。→「金山雅俊さん ラジオの介護番組のパーソナリティー

福井新聞ONLINEの記事はこちら。→「父親殺害疑い、近隣住民ショック

第104回 認知症介護 ベッドで小便

 認知症の母が入っているグループホームからは、月々の領収書や請求書と一緒に「おたより」が送られてきます。

そこには母の日々の様子が書かれています。

母がグループホームに入ったのは2015年の8月でしたから、それから2年と4ヵ月が過ぎたころ、母の症状は少しずつ悪くなっていました。

「機嫌を悪くして物を投げることもある」、「他の入居者とのトラブルもある」そんなことが「おたより」には書いてありました。

人を傷つけたり、建物に損害を与えたりして、賠償や弁償を迫られるようなことになりはしないかと、私は心配しました。

「第99回 認知症介護 認知症、前を向くために その4」で、朝日新聞のオピニオン欄にあった「認知症、前を向くために」という特集記事に触れました。

そこには、認知症の人が起こした事故の被害者と加害者双方を自治体が救済する「神戸モデル」の紹介がありました。

認知症になっても、なるべく心配少なく暮らしていける街づくりも求められますし、そのようにして、認知症になった人が、施設内に閉じ込められるようなことなく暮らしていけたらいいとは思いますが、「認知症、前を向くために」という特集記事のこの時のテーマが「リスクに備える」だったように、リスクに備えることも益々必要になってくることと思います。

2017年12月、この頃の母は、ベッドの上で小便をしてしまうこともあるということで、それに備えての新たなシーツも購入しました。

正確にいうと、グループホームに買ってもらいました。

病院代やちょっとしたお出かけの時に使ってもらう「こづかい」を、普段からグループホームには預けているので、そこからシーツの費用は出しました。

ズボンを濡らしてしまうことも増えたので、着替えのズボンをいくつか用意してほしいとも言われたので、妻と一緒に買いに行き、グループホームに届けました。

2度の股関節の骨折で、車いす生活になったので、行きたいときにすぐにトイレに行けないのですから仕方のないことです。

2017年12月のメモです。

2017年12月○日

・最近のグループホーム「S」からの報告では、母は機嫌が悪いことが多く、物を投げたりすることもあるらしい。

他の入居者とのトラブルもあり、少し距離を置くようにしていると。

夜はあまり眠れないことが多いと。

ベッドの上で小便をしてしまうことも時々あり、少し前にシーツを買ってもらった。替えようのズボンもいくつか買って持って行った。