第43回 認知症介護 ショートステイの功罪 その2 

 前回の記事「第42回 認知症介護 ショートステイの功罪 その1」では、2014年5月に、母がショートステイを利用したことを紹介しました。

 家族にとっては大変ありがたいショートステイではありますが、認知症患者本人にとってはどうなのかと思ってしまった、というようなことも書きました。

 ショートステイを利用した後、母の状態が明らかに悪くなったからです。

 その後、かかりつけの医師にも診てもらいましたが、その時も母は明らかに元気がなく、医師から「抑うつ傾向がある」と言われました。

 医師に診てもらった日、2014年5月のメモです。

2014年5月○日

・Oクリニックに行ってきた。

 O医師は母の元気のなさに驚いていた。

 抑うつ傾向があるので、アリセプトの増量や薬の変更はなしにして、もう少し様子を見るとのこと。

 増量したり薬を変更したりすると、鬱傾向が強くなるかもしれないので。

 できれば毎日デイサービス「○○○○」に行くようにしたらいいだろうと。

 ショートステイの「メディカル○○」は若い職員が多く、母には合わなかったかもしれない、とO医師は言っていた。

 言外に「あそこはあまりよくない」と言っているようにも感じた。

 報告書のようなものも、O医師に見てもらったが、もう少し母の様子を観察して記録すべきだと。

 母はたった今(15:15)も、しばらく玄関に座っていて、何を思ったか冷蔵庫にあるさっき買ってきたいちごを手にして、玄関から出ていこうとしたので止めた。

 これから何度も徘徊があるかもしれない。

第42回 認知症介護 ショートステイの功罪 その1 

 ショートステイとは、短期入所生活介護ともいわれ、要介護の高齢者が数日から1週間くらいの短期で施設に入所できるサービスのことです。

 在宅で介護をしている人が宿泊を伴う用事ができたりして、どうしても家を空けなければならないとき、介護が厳しくなり、ほっと一息つく時間がほしくなったりしたときなどに便利なサービスです。

 介護する側にとっては、大変ありがたいサービスですが、母の場合、ショートステイにお世話になって、病状が悪化したという印象がありました。

 慣れない環境に放り込まれるのですから、認知症患者にとっては、決してうれしいはずはないのです。

 母の認知症介護の過程で、あの時に悪化したという時期が何度かありましたが、ショートステイを利用した時もその一つでした。

 これも前回の「徘徊SOSネットワーク」と同様に、システムが悪いなどとは少しも思っていません。

 介護する側が倒れないためにも、大変ありがたいシステムです。

 それでもやはり、あの時ショートステイを利用したのは正しかったのかという思いが、残ってしまっているのです。

 2014年5月、前回と同じ日のメモの後半です。

2014年5月○日後半

 5月□日から×日までは、一郎と妻が長女の春子のいるF市に行くため、「メディカル○○」に母はショートステイした。

 5月×日から××日にも、一郎が出張で不在のため、母は再び「メディカル○○」にショートステイした。

 このショートステイを利用するために、「介護保険負担限度額認定証」の申請をし、4月○日に交付された。

 デイサービス「○○○○」から帰ってきて、母はテーブルに両手を広げてついて、考え事をしているかのような姿勢で、話しかけても反応しなかった。

 一郎が母の視界に入って「靴どこにいったのかな」と話しかけても反応はなし。

 まばたきはしている。

 そこでケアマネのNさんに電話して来てもらった。

 Nさんが大きい声で質問すると、その半分以上は答えた。

 多くは「はい」だけだったが、もう少し答えたこともあった。

 「○○○○」でも今日の午前中は似たような感じだったらしい。

 しばらくして寝巻に着替えて寝た。

 ショートステイを利用した後には往々にしてこのようなことが起こるらしい。

 本人は環境がくるくると変わって混乱しているらしい。

 それで疲れているのだろう。

 1週間近く眠り続けることもあると、「○○○○」のSさんから聞いている。