第13回 認知症介護 かかりつけ医への相談

 母のかかりつけ医はO医師という女医さんでした。

 O医師は母のお気に入りで、私が母をM市に招き寄せてからずっとお世話になっていました。

 父が亡くなる数日前、私が「もう延命のための治療は終わりにしたい」と相談に行ったのも、O医師のところでした。

 そのO医師に相談に行った日のメモです。

2012年3月○日

・母は続けてI整骨院に通っている。

 医療費がかさむことが考えられるので、確定申告用に領収書をもらうようにした。

 これまでの分はまとめてもらって、これからの分は毎回出してもらうようにお願いした。

 母は帰ってきて領収書もらうのを忘れたと言っていたが、棚の中に入っていた。

 昨晩は「腰が痛くて眠れなかったから眠れない薬を飲んだ」と言っていたので、痛み止めの薬を飲むかと聞いたら、「痛み止めの薬があるの」と聞いてきた。

 薬のことはどれくらい把握しているのだろうか。

 次女の夏子が「おばあちゃんラーメンばっかり食べているよ」と言っていたらしい。

 母に朝食昼食のことを聞いてみたら、「作るのはきらいではないから、魚やいたり煮物作ったりして、ちゃんと食べてるよ」とのこと。

 ヨーグルトも毎朝食べ、今は通事も毎日あるとのこと。

 夕食で結構食べているので、朝昼は少しでいいと思うけれど、どんな食事をしているかは、少し気をつけていかないといけないかもしれない。

 あまりあれこれ言うのもどうかと思うけど。

・Oクリニックに私一人で行ってきた。

 ①認知症の薬を飲むかどうか、②介護の認定を受けておいた方がいいか、③成年後見制度の申請をしておいたほうがいいか、この3点を相談した。

 ①については飲む方向で。私自身は躊躇がやはりあるが。母に相談しにくいのがつらい。

 A病院のO先生がかかりつけ医のO医師に書いた手紙には、「長男さんが納得していないようだったのでその場では薬を処方できなかった」とあったようだ。

 A病院での検査結果と、O先生からO医師への手紙のコピーはくれた。

 ②については、認定してもらうのもいいが、役所の人が要介護度の調査に来るので、母が嬉しくないかもしれず、しばらく様子を見てもいいのでは、という雰囲気だった。

 ③についても、するなら兄弟でよく話し合って、弁護士とかに相談したうえでした方がいいとの助言。

 誰が後見人になるかでもめることがあるらしい。

 そりゃそうだろうな。財産がからむから。

 ②についての「ケアマネージャーを選ぶ際には、元看護士を選ぶ方がいい」という助言は生かせそうだ。

 母は特別料理が得意だったわけではありませんが、身の回りのことはきちんとする人でした。

 このころ、母の夕食は、私の妻や子どもと一緒に食べていました。

 ただ、朝食と昼食を母がどうしているのかには、あまり注意が向いていませんでした。

 結局、この後、認知症の薬は飲むことにしていきました。

 認知症の認定も受けることにしました。

 成年後見制度については、2017年現在も申請していません。

第12回 認知症介護 お正月

 あけましておめでとうございます。

 昨年のお正月は、グループホームに外出届を出して、母を家に連れて帰りました。

 1月1日の10時から14時までの6時間ほどを、母は家で過ごしました。

 母を迎えに行ったとき、グループホームには多くの利用者さんがいらっしゃいました。

 家族が迎えに来ていない、ということです。

 そして、その方々をお世話するために、スタッフの方は働いていました。

 スタッフの方々には本当に頭が下がります。ありがとうございます。

 一昨年のお正月も昨年と同様に、母を迎えに行き、母は数時間ですが家に帰って家族と一緒に過ごしました。

 しかし、今年は迎えに行きませんでした。

 私がもう難しいと感じたからです。

 ここでもやはり「母さん、ごめん。」です。

 そしてまた、「明るく、明るく、走るのよー」と心の中で歌うのです。

 この一年が皆様にとって幸多き一年になりますように、心よりお祈り申しあげます。

 そして、このブログが、認知症介護に携わっている方のほんの少しでも支えになってくれれば、と願います。

 これは、1月1日に公開する予定で書いたものです。

第11回 認知症介護 どんな本を読んだか

 母がどうやら認知症だと分かったときに、私がしたことは色々あります。

 遠くに住んでいる姉や兄に、母の様子や病院で言われたことを伝えておくこと。

 地域包括支援センターなどに相談して、孤立しないようにすること。

 3人の子どもたちや妻にも母の現状や考えられる近い将来を話して、協力してもらうこと。

 そして、まずは何より認知症について知ることだと考えた私は、認知症関連の書籍を買ってきて一生懸命読みました。

 2012年3月のメモに、どんな本を読んだかが記してあります。

2012年3月○日

・和田秀樹『人生を狂わせずに親の「老い」とつき合う』(講談社+α新書)読了。

 今の状況にヒントを与えてくれるぴったりの本だった。

 「介護崩壊」の現状や、介護保険の利用の仕方、成人後見人についてなど、得るところは多かった。

 介護の認定は早めに受けておいた方がよさそうだ。

 今なら要支援1かもしれないが。

 法定後見制度の「保佐」「補助」でも、任意後見制度でも検討してよさそうだ。

 母の病気の関係だけではないが、この1~2年で読んだ医療関係の本は、下記のものがある。

① 久坂部羊『大学病院のウラは墓場』(幻冬舎新書)
② 久坂部羊『日本人の死に時』(幻冬舎新書)
③ 白澤卓二『決定版 100歳まで大病しない108の習慣』(角川SSC新書)
④ 吉田たかよし『日本人の命を奪う6つの病気と誰でもすぐできる66の健康法!』(角川SSC新書)
⑤ 米山公啓『認知症は予防できる』(ちくま新書)
⑥ 小阪憲司・須貝佑一『認知症の最新治療法』(洋泉社)
⑦ 中村仁一『往生したけりゃ医療とかかわるな』(幻冬舎新書)
⑧ 和田秀樹『人生を狂わせずに親の「老い」とつき合う』(講談社+α新書)

 2017年12月、最近買った本では松浦晋也さんの『母さん、ごめん。-50代独身男の介護奮戦記-』(日経BP社)があります。

 この本は、まだ目次くらいしか読んでいませんが、松浦さんは私と年齢がとても近く、松浦さんが介護するお母さんの年齢も私の母ととても近く、そしてたどった経過も共通するところが多く、共感するところが多そうだと感じています。

 何よりタイトルの「母さん、ごめん。」この思いに共感します。

 「第1回 認知症介護 母への思い」で書きましたが、介護の日常で母への感謝を思うこと、母への感謝を自分に言い聞かせることはしょっちゅうでした。

 「母さん、ありがとう。」

 でも、これまでも、そして、おそらくこれからも母の介護を思うとき、まず頭に浮かぶのは「母さん、ごめん。」だと思うのです。