第21回 認知症介護 自動ドアが自動で閉まると分からない

 認知症の症状は、物忘れが増える、時間の感覚が薄れる、同じ服ばかり着るようになる等、多くの人に共通する経過があります。

 いろいろなことが、少しずつできなくなっていきます。

 でも、その多くは、「後から振り返ればすでにあの時そうだった」と思えるものであって、その時々には年齢のせいかな、と思えるものです。

 銀行や郵便局で現金をおろすATMの操作にしても、スマホのような新しく出てきた機械にしても、高齢者はたいてい苦手です。

 高齢者と言えない年齢でも、機械が苦手な人もいます。

 認知症に関する本を読んでいると、「ああ、この症状もあった。こういう時もあった。」と母にもあてはまることがたくさんあります。

 こういうことがありました。こんなふうに対処しました。

 そういうことを当時のメモを振り返りながら紹介していきたいと思っています。

2012年5月○日

 ・Oクリニックに行った。

 薬がなくなったため。

 朝飲む4種類の薬(メバロチン、ディオバン、アリセプト、オメプラール)4週間分と、寝つきをよくするデパスを10回分。

 粉の胃の薬は、また胃の具合が悪いという訴えがあったらでいいでしょう、ということで出なかった。

 Oクリニックに入った時、自動ドアが閉まる前に、「何にもしなくていいのかな」と言っていた。

 帰りの車の中では「O先生、もう来なくていいって言っていたっけ」と言っていた。

 O医師が言っていたのは、「血液検査の結果、コレステロールの値もいいですね。毎朝の血圧もいいですね」ということだった。

 5月△日には、K皮膚科に行ってきた。

 湿布を貼って以来ひりひりするというので。

 見た感じはかぶれてもいない。

 K医師も皮膚科的には問題ないと言っていた。

第20回 認知症介護 時間の経過の感覚が薄れる

 「第4回 認知症介護 認知症の検査に連れていく」で触れましたが、認知症の検査に「今日は何年何月何日ですか」と日付を尋ねるものがありました。

 母はその検査で日にちを間違えましたが、私は「日にちを間違えるのは、若くても結構あるのにな」と思ったものでした。

 医師は、日にちを間違えることは、それほど重要視していないかもしれません。

 それでも、曜日や季節、時間の経過の感覚がおかしくなっていく、というのは、確かに認知症の症状の一つだと、その後、感じることはよくありました。

 2012年4月○日のメモです。

2012年4月○日

・夕方、N整形外科クリニックに行ってきた。

 出た薬は、痛み止めの薬のセレコックス錠100mg(1日2回7日分)、カルシウムの吸収をよくするビタミンDのワンアルファ錠1.0ug(1日1回朝食後28日分)、アドフィードパップ40mg(1日2回21枚)。

 痛み止めは痛いときだけでいいだろう。

 「この前来たのは2年ぐらい前だったかねえ」と言っていた。

 実際は2月下旬だから、2か月ほど前だが。

 家に帰ってから「Oクリニックの薬はまだあるか」と聞いてきた。

 まだ1週間も経っていないが。どれくらい日が経ったかの感覚が正確でなくなってきている感じだ。

第19回 認知症介護 日曜日に病院へ

 病院に行くために着替える。

 着替えて新聞を見て日曜日だと気づく。

 日曜日だから病院は休みだと気づく。

 こんなことは、まあ普通の範囲のことです。

 誰にでもある勘違いと言ってもいい程度のことです。

 年を取ってくれば、人の名前が思い出せないとか、お店の名前が思い出せないとか、よくあることです。

 行動を起こしてから、「あれ、何しようとしていたのだっけ?」ということもあります。

 認知症の初期症状と、老化によるものと、なかなか区別はつきません。

 私も50歳を超えて、人の名前やお店の名前がなかなか出てこないことが増えましたし、「あれ、何しようとしていたのだっけ?」も増えました。

 ただ、母の様子を見てきたので、正直怖いのです。

 これは老化のせいだろうか、と考えてしまうのです。

 怖がっても仕方がない、と思っても、やはり怖い。

 そして、また心の中で歌うのです。

 「明るく、明るく、走るのよー」という「東京のバスガール」の一節を。(「第10回 認知症介護 地域包括支援センターで相談」を参照)

2012年4月○日

・夕方、母は出かける格好をして「整形に行くために着替えたけど新聞見たら日曜日だった。

 何やっているのかねえ」と言っていた。

 こうして文字で見るよりは、違和感は少なかったが、あれ、と思った。

 腰が痛いようで、薬局で温湿布を買ってきた。

 整形に行けば湿布を安くもらえると私の妻に言われて整形に行く気になったのかもしれない。

 明日、整形に母と行ってくる。