第108回 認知症介護 確定申告の医療費控除

 1年間に支払った医療費が多かった場合、確定申告をすれば、納めた税金(源泉徴収された所得税)が一部戻ってきます。

医療費控除の制度です。

「多かった」といっても、かかった医療費が10万円程度ではほとんど戻ってきません。

かかった医療費から10万円を引いた分の、その何パーセントかが戻ってくるというものですので、10万円を少し超えるくらいだと、苦労して領収書を整理したり計算したりして確定申告しても、戻ってきたのは数百円ということになります。

家族のうち何人かが手術や長期のケガをしたとか、美容ではなく治療と言える歯科矯正をしたとか、そのようなことがあって、20万円を超えるような医療費が発生したら、確定申告するかいがあると思います。

医療費が高額になった場合に、手続きをすれば医療費が補助されるような公の制度があり、それで戻ってきた金額は、差し引かなくてはいけません。

介護に関しての費用も、医療費控除の対象になっていますが、対象になっているのは、1 訪問介護【ホームヘルプサービス】、2 訪問入浴介護、3 訪問看護、4 訪問リハビリテーション、5 居宅療養管理指導【医師等による管理・指導】、6 通所介護【デイサービス】、7 通所リハビリテーション【医療機関でのデイケア】、8 短期入所生活介護【ショートステイ】などで、グループホームの費用は対象になっていません。(詳しくは国税庁のホームページで確認したり、「医療費控除」などで検索したりして、確認してください。)

母のグループホームの費用は月々15万円程度ですが、それは医療費控除の対象ではないということです。

ただ、母が病院で診てもらった診察費や薬代などは医療費控除の対象になります。

母がグループホームに入った頃は、私たち家族の介護の都合で、母は紙パンツをはいていました。

それをグループホームでは、なくても大丈夫そうだということで、外してくれました。

ありがたかったです。

グループホームの介護スタッフの誠意を感じたことでした。

しかし、2度の股関節骨折もあり、この頃母はまた紙パンツを使用するようになっていました。

紙パンツや尿漏れパッドなどは、医師の証明書があれば医療費控除の対象として認めてもらえます。

証明書の用紙は、ドラッグストアの紙パンツ売り場に吊り下げられたりしています。

勝手に持って行っても大丈夫だと思います。

店の人に「紙パンツの証明書の用紙をいただいていきます」と声を掛けてもらっていったほうがいいとは思いますが。

その用紙をグループホームに届け、普段診察してもらっている医師に書いてもらうのです。

2018年1月のメモです。

2018年1月○日

・グループホーム「S」のIさんに昨日電話したが、その返事が来た。

確定申告で介護パンツを医療費控除の対象にするには医師による証明書がいるので、それをもらってきてほしいとお願いしていたのだ。

用紙がグループホームにはないので、持ってきてほしいと言われた。

すぐに近所のドラッグストアに行き、介護パンツの置き場のそばに置いて行った用紙をもらって、その足で届けた。

第107回 認知症介護 お正月はグループホームで

 母の認知症に関してのメモも、いよいよ現在に近づいてきました。

今日のメモはおよそ1年前、2018年1月のメモです。

2015年の8月に母はグループホームに入りました。

2016年の正月、2017年の正月は、グループホームに外出届を出して、家に母を連れてきました。

数時間ですが家でおせちを食べたりする時間を作ることができました。

しかし、グループホームに入ってから迎える3回目のお正月、つまり2018年のお正月は、グループホームで過ごすことになりました。

母は2度の股関節の骨折で、車いす生活になっていたので、車での移動もなかなか難しいと判断したからです。

少しでも楽しいと思えるようなことをさせてあげたいとは思うものの、それも難しく、母の笑顔を見ることは、ほとんどなくなってきてしまっていました。

1月1日、グループホームに、家族で面会に行くということだけはしましたが。

2018年1月○日

・今年のお正月は母を家に連れてこなかった。

昨年、一昨年は、外出届を出して、元旦の9時から15時頃まで家に連れて来ていた。

今年は、もうそれが難しいと判断し、面会だけにした。

私の兄と私の妻、長女の春子、三女の秋子、そして私の5人で。次女の夏子は大学受験の予備校に行っていて、行かなかった。

母以外の利用者さんも、ほとんどがグループホームにいた。

お正月を実家で過ごさせるために、家族が連れに来たというグループホーム利用者は、あまりいないようだった。

グループホームには獅子舞が来ていた。

大晦日も正月も、母たちの面倒を見てくださるスタッフの方たちには、本当に頭が下がる。

大変な仕事だ。

第106回 認知症介護 報道特集「どう防ぐ? 認知症事故」

 TBSの「報道特集」というテレビ番組で「どう防ぐ? 認知症事故」というテーマでの特集が組まれていました。

一昨日、2019年1月26日のことです。

その中で特に印象的だったのが、福岡県大牟田市の全市を挙げての取り組みと、名古屋市のコンビニチェーンの取り組みです。

大牟田市では、「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」というのを大々的に実施しています。

平成16年に一部の校区で始まったものが、その後、全市に広がったようです。

訓練として徘徊の情報を衣服の特徴などと一緒に流し、その衣服の認知症役の方が、市内を歩き回る。情報を受けた人たちが、その特徴の人を見かけたら、「どうされましたか?」などと声をかける。学生や生徒も参加して、慣れない声掛けを一生懸命していました。

大牟田市では、認知症コーディネーターの養成も積極的に実施しているようです。

認知症に対する取り組みの先進地域の一つとして、大牟田市も確実に挙げられますね。

大牟田市の認知症に対する取り組みについては、平成25年11月に大牟田市長寿社会推進課から出された「まちで、みんなで認知症をつつむ ~大牟田市の取り組み~」をご覧ください。

もう一つの名古屋市のコンビニチェーンの取り組みは、認知症の父親を亡くした女性の訴えから実現していった取り組みです。

その女性の父親は、認知症が原因で、外出先から戻って来られないことがたびたびあったそうです。

デイサービスからコートも着ないで出て行ったその父親は、河原で亡くなっているのが見つかったそうですが、その前にコンビニに立ち寄っていたことが分かりました。

「家を探しています。電話番号は分からない」と父親は言ったようですが、レジが混み始めたため、店員もそれ以上の対応はせず、そのうちに父親は店を出て行ったと言います。

「こんなつらい気持ちを他の誰にも味わってほしくない」と、その女性はコンビニ業界団体の日本フランチャイズチェーン協会に「コンビニで認知症患者に対応してほしい」というメールを送り、店員の研修で父の事例を周知するように働きかけました。

それが実を結んだ形です。

番組では、コンビニ店員の研修会で、グループワークをしている様子が、紹介されていました。

この取り組みについては、朝日新聞デジタルにも記事がありました。

朝日新聞デジタルの有料記事ですが、もとの記事はこちら。→「認知症見守り、コンビニ業界が連携 名古屋、系列横断で