第55回 認知症介護 「年より笑うな行く道だもの」

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 母がグループホームに入ることになったのが2015年8月。

 その事件が起きたのはその半年ほど前のことでした。

 母の認知症の症状としては色々なものがありましたが、排便を失敗することはあまりありませんでした。

 とはいえ、ベッドの横に濡れたバスタオルがあることが時々ありました。

 どうやら漏らしたおしっこをふいたようです。

 漏らすのが気になるのか、こまめにトイレに行っていた印象でした。

 しかし、ティッシュを尿漏れパッドのようにパンツにセットしては、それをトイレに流しているようだったので、トイレがつまってもいけないと思い、その頃は紙パンツをはいてもらうことにしていました。

 その方が母本人も少し安心かもしれないと考えたからです。

 実際はどうだったか分かりません。

 不快感があったかもしれません。

 その日、私が風呂を洗いに風呂場に行くと、なんと、うんこがありました。

 しかも、たっぷりと。

 お風呂とトイレの判断がつかなかったのでしょう。

 私は苦笑しました。

 以前父が高熱を出したとき、机の上にあったタオルを服を着るような動作で着ようとしていたのを思い出しました。

 タオルと服の区別がついていないようでした。

 父は認知症ではありませんでしたが、高熱のために一時的に認知機能が落ちたのだと思います。

 また、私が大学生の頃、泥酔した友人が階段の踊り場でおしっこしたのも思い出しました。

 酔いのために一時的に判断力が落ちたのだと思います。

 「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの」。

 永六輔さんの『無名人 名語録』に収録されている言葉だそうです。

 父と母の晩年を見てきて、私もこの言葉をかみしめています。

 2015年1月のメモです。

2015年1月○日
・昨晩、おばあちゃんがお風呂でうんこをした。

 下痢便が少し漏れたというレベルではない。

 洗い場の方の排水溝の網のところに、かなりの量のうんこがあった。

 洗い場でして、あそこに隠したのだろうか。

 割り箸でつまめるような固形のうんちだった。

 一郎が手袋をして割り箸でつまんでトイレに流せる掃除用の紙に包んで、トイレに流した。

 うんこのついた髪の毛や、割り箸はやはり紙に包んで、ビニール袋に入れ、捨てた。

 妻は「これから毎回だよ」とか「おばあちゃんに処理させてもだめかなあ」とか、悲観的なことを言う。

 いずれにせよ、新しい段階に入ったようだ。

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