第79回 認知症介護 経費を負担できる人には負担してもらうという政府の方針

 「経費を負担できる人には負担してもらう」という介護についての政府の方針があります。

 先月、2018年8月から、介護保険の「利用者負担割合」が変わりました。

 これまでは、「年金収入280万円」を境にして、「280万円未満」なら自己負担は1割、「280万円以上」なら2割でした。

 それが8月からは、「年金収入340万円以上」という新しい分類ができて、自己負担が3割になります。

 厚労省の試算では、介護保険の受給者496万人に対して、3割負担になる人は約12万人の約3%に留まるということですから、影響を受ける人はそれほど多くはないようです。

 私の家でも母の年金収入は非課税のレベルですので、介護保険の自己負担も1割負担に変わりはありません。

 でも、将来的にはどうなるか分かりません。

 冒頭にも書いたように、「経費を負担できる人には負担してもらう」という介護についての政府の方針がありますから、3割負担の人が増えるような改定が今後ますますされるようになっていくことも考えられます。

 母がグループホームに入った2015年8月の翌月、2015年9月のメモです。

2015年9月○日

・昨日グループホーム「S」に面会に行ってきた。

 妻と次女の夏子と三女の秋子と4人で。

 15:30から約30分の面会。

 管理者の人はいなくて、聞きたいことが聞けなかったので、今日になって改めて電話して聞いた。

 グループホームの費用の引き落としは毎月27日、8月分は約3万円で、25日の締めに間に合わなかったので9月分と一緒に引き落とされるとのこと。

 契約書を渡したときに、一緒に預けた保険証のようなものは、3種類だった。

 1つは健康保険証、もう1つは介護保険証。

 それからもう1つあった緑色のが何だったかを尋ねた。

 それは「介護保険負担割合証」だった。

 負担が1割か2割かを証する書類で、母の場合は1割だ。

 母がグループホームのトイレにティッシュを流しているらしいこともスタッフの方に伝えた。

8月から介護保険の「利用者負担割合」が最大3割に拡大

 昨日(2018年9月21日)の朝日新聞「ひと」の欄に、映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」の監督、信友直子さんが紹介されていました。

 2014年1月に認知症と診断された89歳のお母さんと、97歳になる耳の遠いお父さんの日常を、家庭用ビデオで撮ったのだそうです。

 記事には「普通なら人に隠したいことでも『撮らなきゃ』とカメラを向けた。『家族に迷惑をかける』と思っている母の苦しさを記録したかった。認知症だから終わり、ではない。」とあります。

 私も共感するところがあります。

 お母さんがぽろっと言った「ぼけますから、よろしくお願いします。」という言葉が、映画のタイトルになっています。

 この映画は11月に東京などで公開されるそうですから、事情が許せば見に行ってみてはどうでしょうか。

第69回 認知症介護 グループホームを見学

 認知症の母をグループホームに入れる日が近づいていました。

 すでにグループホーム「S」には申込書を提出していましたが、他の所も見ておきたいと考えました。

 子どもたちが自転車で行ける範囲がいいと考えました。

 遠くにいいグループホームがあったとしても、遠くに行ってしまえば、どうしても私たち家族が訪問する回数が減ってしまうと思ったからです。

 家族の訪問が減ってしまえば、いくら丁寧な対応をしてくれるグループホームのスタッフの方とはいえ、介護に気持ちが入らなくなるのも自然なこと、と思えたからです。

 子どもたちも、特に三女の秋子は、母の介護を結構助けてくれていたので、秋子が行こうと思った時に自転車でも行けるところがいいなと考えたのです。

 結局見学したのはグループホーム「S」以外に、グループホーム「Y」、グループホーム「N」、グループホーム「M」の4か所でした。

 この頃、私は「認」という字を新聞やテレビで見かけるとドキッとするようになっていました。

 「認知症」という言葉に過敏になっている気がしました。

 妻は秋子も多少それに近いものがあったようです。

 2015年5月のメモです。

2015年5月○日

・昨日、今日と連続で朝4時頃に、母の独り言で起こされた。

 昨日は、また朝の4時にピアノを鳴らした。鳴らすだけでなく、ふたをゆっくりは閉めないから、そのバタンという音も大きい。

 今日の独り言も、「うるさい!」「出ていきません!」「○○さん(妻の名前)の車が止まっています!」など、大声で言うから、呼ばれたわけではないけれど、「どうした。寝ていたらいいよ。」と声をかけに行った。

 最近は新聞を読んでいて「徹子の部屋放送10000回、ギネス認定」という記事を見てもドキッとする。

 「認知症」の「認」の字にドキッとするのだ。

 職場でも、街中でも、カンカンという音や、バタンという音が耳に入ると、母の鳴らす音がよみがえってきて、ドキッとする。

 妻や三女の秋子も似たようなことを言っていた。

・書いていなかったが、5月○日に、M高校の近くにあるグループホーム「N」を見学し、その場で申込書を出してきた。

 翌日、妻と二人でもう一度グループホーム「N」を見学に行ったら、そこの管理者は、知り合いだった。

 すぐ近くにあるもう一つのグループホーム「M」も見せてもらった。

 そちらの管理者も知り合いだった。

 グループホーム「M」の方が古い関係で、つまり早くに入った人が多いから、認知症の程度の高い人が多いとのこと。

 こちらは空きが出たから入れるというのだが、すぐに「ではお願いします」と言うのをちゅうちょしている。

 グループホーム「M」の方はなかなか空きが出ないだろうとのこと。

 空きが出るかどうかは、全く分からず、全然出ないときもあるし、ばたばたと数件続けて出る場合もあるらしい。

 グループホーム「M」の方は、常駐の看護師がいて、看取りまでするらしい。

 現状では、グループホーム「N」に空きは出なさそうだから、グループホーム「S」が空くのを待つような状況だ。

 もう少し、他のグループホームも見に行って、申込書を出しておこうか。

第67回 認知症介護 介護の限界 グループホームを検討

 認知症となった母がグループホームに入ってもうすぐ3年になります。

 母の介護のために家族がつぶれてもいけないとは思っていましたので、介護離職の選択はしないでおこうと思っていました。

 それでも、会社の介護休暇の規定がどうなっているかなど、介護関係の規定を確認したりはしていました。

 自宅での介護は限界に近付いている感じがしました。

 母の独り言や母がカンカンと大きな音を出すことは日に日に増えていきます。

 それは昼間だけではなく、夜中にもあるので、家族の睡眠に影響していました。

 次女の夏子は高校2年生になっており、大学受験まであと1年半。

 決断のときは迫っていました。

 母がグループホームに入るのを嫌がるのは分かっていました。

 「子どもや孫と住み慣れた家にいたい」と思って当然です。

 しかし、子どもは「おばあちゃんを施設に入れて」とはなかなか言えません。

 私が決断しなくてはなりません。

 「次女が受験するこの時期を守ってやらなくてはいけない。」「火事になってからでは遅い。」私は決断をするための理由を一生懸命探していました。

 2015年5月のメモです。

2015年5月○日

・昨日グループホームSに申込書を持って行った。

 空きが出たら連絡が入るはずだ。

 今ほかに入居待ちの人が一人いるようだ。

 もう一つ、M町の「Y」というグループホームも見学に行ったが、そこはもっと介護度の高い人が多いようだった。

 年齢も高い人が多かった。

 母はここ数日、お金を持って何度でも「はい、お金」と言って持ってくる。

 「○○さん(妻の名前)が持ってきてと言うから」とか「財布に1万円あったから」とか、言って持ってくる。

 「おばあちゃんもっといて」と何度言っても、何度でも持ってくる。

 5回くらいは我慢するが、6回目くらいには、「じゃあ、もらっとくわ」と言ってそのお金を預かる。

 この繰り返しを最近、3回ほどした。

 お金がないと不安になるかなと思い、財布に1万円札2枚と5千円札2枚ほどを入れているのだが、その3万円はどこかへいってしまっても仕方がないものと思っている。

 一人になると幻聴がよく聞こえるようで、なかなか眠れないらしい。

 夕食のときはたいてい機嫌よくご飯を食べている。

 今日の昼間は、三女の秋子によれば、随分調子が悪かったようだ。

 他のグループホームも何か所か見学して、申し込みをしておこうと考えている。

 次女の夏子の大学受験を考えると、半年以内には入所させないといけないだろうと思う。