第20回 認知症介護 時間の経過の感覚が薄れる

 「第4回 認知症介護 認知症の検査に連れていく」で触れましたが、認知症の検査に「今日は何年何月何日ですか」と日付を尋ねるものがありました。

 母はその検査で日にちを間違えましたが、私は「日にちを間違えるのは、若くても結構あるのにな」と思ったものでした。

 医師は、日にちを間違えることは、それほど重要視していないかもしれません。

 それでも、曜日や季節、時間の経過の感覚がおかしくなっていく、というのは、確かに認知症の症状の一つだと、その後、感じることはよくありました。

 2012年4月○日のメモです。

2012年4月○日

・夕方、N整形外科クリニックに行ってきた。

 出た薬は、痛み止めの薬のセレコックス錠100mg(1日2回7日分)、カルシウムの吸収をよくするビタミンDのワンアルファ錠1.0ug(1日1回朝食後28日分)、アドフィードパップ40mg(1日2回21枚)。

 痛み止めは痛いときだけでいいだろう。

 「この前来たのは2年ぐらい前だったかねえ」と言っていた。

 実際は2月下旬だから、2か月ほど前だが。

 家に帰ってから「Oクリニックの薬はまだあるか」と聞いてきた。

 まだ1週間も経っていないが。どれくらい日が経ったかの感覚が正確でなくなってきている感じだ。

第19回 認知症介護 日曜日に病院へ

 病院に行くために着替える。

 着替えて新聞を見て日曜日だと気づく。

 日曜日だから病院は休みだと気づく。

 こんなことは、まあ普通の範囲のことです。

 誰にでもある勘違いと言ってもいい程度のことです。

 年を取ってくれば、人の名前が思い出せないとか、お店の名前が思い出せないとか、よくあることです。

 行動を起こしてから、「あれ、何しようとしていたのだっけ?」ということもあります。

 認知症の初期症状と、老化によるものと、なかなか区別はつきません。

 私も50歳を超えて、人の名前やお店の名前がなかなか出てこないことが増えましたし、「あれ、何しようとしていたのだっけ?」も増えました。

 ただ、母の様子を見てきたので、正直怖いのです。

 これは老化のせいだろうか、と考えてしまうのです。

 怖がっても仕方がない、と思っても、やはり怖い。

 そして、また心の中で歌うのです。

 「明るく、明るく、走るのよー」という「東京のバスガール」の一節を。(「第10回 認知症介護 地域包括支援センターで相談」を参照)

2012年4月○日

・夕方、母は出かける格好をして「整形に行くために着替えたけど新聞見たら日曜日だった。

 何やっているのかねえ」と言っていた。

 こうして文字で見るよりは、違和感は少なかったが、あれ、と思った。

 腰が痛いようで、薬局で温湿布を買ってきた。

 整形に行けば湿布を安くもらえると私の妻に言われて整形に行く気になったのかもしれない。

 明日、整形に母と行ってくる。

第6回 認知症介護 認知症の検査 薬をどうするか

第4回 認知症介護 認知症の検査に連れていく」の最後に、少し触れましたが、母が検査を受けてその結果を聞いて「なんかなー」ともやもやした気分になりました。

最初に検査を受けて4日後の2012年2月○日、二度目の検査に行きました。

その時のメモです。

2012年2月○日

・A病院で二つ検査をしてきた。

一つは前回のような記憶力などの検査。言語療法室で約30分。

もう一つはMRI。こちらも30分弱。

その後診察。記憶力などはっきりしていたようだ。

前回のミニメンタルステート検査では、30点中24点以上が正常で、それは27点だったが、今回のでは、一つ一つの点までは覚えていないが、3つとも合格ではなかった。

だから、認知症の薬は飲んでもいいレベルとのこと。ただ、飲んでくださいとは言わないようだ。飲むか飲まないかは本人や家族が最終的に決める。

しばらく考えて、一ヶ月後にOクリニックに行った時に、相談して決めたらいいのでは、とのこと。

MRIの画像では、脳の所々白っぽくなっていて、虚血性のもの、つまり、血液の流れが少なくなっている所があるが、年齢相応といえる。だから、アルツハイマー性のものなのでしょう、とのこと。

帰る時にトイレに行ったが、カバンを置き忘れた。

その後、郵便局に行った。ATMでお金をおろしたが、次の操作をしないで待っていることが何度かあった。

その後「腰が痛くて湿布薬を買いたいから薬局に寄ってほしい」と言った。湿布薬は一郎(私)が以前整形外科でもらったものがあるので、それを貼っているのだが。

認知症の薬を飲み始めるかどうか、これも一つの決断の場面です。

私の父が亡くなって6年程時間が経過していました。

父が亡くなって、母が体調を崩すことも増えました。

頭がふわーっとする、というので病院に行くと、血圧が高い。それから血圧を下げる薬を飲むようになりました。元々は血圧の低い人でした。

夜眠れないことがある、というので、睡眠導入剤を飲むことも増えました。

「薬はなるべく少なく」、私は以前からそう考えています。

父が亡くなる少し前、薬を15種類ほど飲んでいて、医師に相談して5種類に減らしてもらったことがあります。

父の最期の入院中医師に「薬に対してかなり依存性があります」と言われ、内心「あなた方医師があれも飲め、これも飲めと出してきた薬ではないか」と感じました。

母はコレステロール値を下げる薬も飲んでいました。

「認知症の薬を飲む?」と聞いても、本人が「そうする」と言う例はまれだと思います。

母の場合も、信頼しているO医師から「最近物忘れが少し多いようだから、頭がすっきりするような薬を飲みましょうか」というような感じで勧めてもらいました。

その前に私がO医師と相談していたのは言うまでもありません。

母の認知症発症について、素人の私があれこれ言っても始まりませんが、私の母方の祖父や伯父の様子から遺伝的素因もあったかもしれません。

母が若いころの仕事の影響もあったかもしれません。シンナーを扱うような仕事をしばらくしていましたので。

そして、父が亡くなった後に飲むことが増えた薬が誘発した印象もぬぐえません。