第31回 認知症介護 布団の敷き方が分からない

 「あれ?」「母の様子がどうもおかしい。」そう思ったのは2011年のことでした。

 認知症初期の症状の代表的なものとして「物忘れの多さ」がありますが、母の場合もそうでした。

 そしてそれに伴う「モノ探し」、少し前にしたことを忘れることが多くなるので、物を探すことが増えます。

 「機械の操作など、やり方が分からなくなる」というのもあります。

 「第4回 認知症介護 認知症の検査に連れていく」では、初めて認知症の検査に連れて行った時のことを紹介しています。

 「第5回 認知症介護 認知症初期の症状 モノ探し」では、検査に連れていくまでどうだったのかと紹介しています。

 「第6回 認知症介護 認知症の検査 薬をどうするか」では、検査の日にトイレにカバンを置き忘れたことや、郵便局のATMの操作に戸惑ったことなどを紹介しています。

 初めて母を検査に連れて行ったのが2012年2月。2012年10月には、「布団の敷き方が分からない」ということもありました。

2012年10月○日

・妻の話によると、昨日、母は三女の秋子の布団を敷くのに、どう敷いたらいいのか分からないと言ったらしい。

 寒くなってきて秋冬モードの布団に変えようとしたのだと思う。

 どの毛布を使うのか、敷くのか掛けるのか覚えていないというだけかもしれないが、妻の印象では、その時の布団の散らばりようが、これまでのおばあちゃんとは少し違う感じがしたとのこと。

第21回 認知症介護 自動ドアが自動で閉まると分からない

 認知症の症状は、物忘れが増える、時間の感覚が薄れる、同じ服ばかり着るようになる等、多くの人に共通する経過があります。

 いろいろなことが、少しずつできなくなっていきます。

 でも、その多くは、「後から振り返ればすでにあの時そうだった」と思えるものであって、その時々には年齢のせいかな、と思えるものです。

 銀行や郵便局で現金をおろすATMの操作にしても、スマホのような新しく出てきた機械にしても、高齢者はたいてい苦手です。

 高齢者と言えない年齢でも、機械が苦手な人もいます。

 認知症に関する本を読んでいると、「ああ、この症状もあった。こういう時もあった。」と母にもあてはまることがたくさんあります。

 こういうことがありました。こんなふうに対処しました。

 そういうことを当時のメモを振り返りながら紹介していきたいと思っています。

2012年5月○日

 ・Oクリニックに行った。

 薬がなくなったため。

 朝飲む4種類の薬(メバロチン、ディオバン、アリセプト、オメプラール)4週間分と、寝つきをよくするデパスを10回分。

 粉の胃の薬は、また胃の具合が悪いという訴えがあったらでいいでしょう、ということで出なかった。

 Oクリニックに入った時、自動ドアが閉まる前に、「何にもしなくていいのかな」と言っていた。

 帰りの車の中では「O先生、もう来なくていいって言っていたっけ」と言っていた。

 O医師が言っていたのは、「血液検査の結果、コレステロールの値もいいですね。毎朝の血圧もいいですね」ということだった。

 5月△日には、K皮膚科に行ってきた。

 湿布を貼って以来ひりひりするというので。

 見た感じはかぶれてもいない。

 K医師も皮膚科的には問題ないと言っていた。

第20回 認知症介護 時間の経過の感覚が薄れる

 「第4回 認知症介護 認知症の検査に連れていく」で触れましたが、認知症の検査に「今日は何年何月何日ですか」と日付を尋ねるものがありました。

 母はその検査で日にちを間違えましたが、私は「日にちを間違えるのは、若くても結構あるのにな」と思ったものでした。

 医師は、日にちを間違えることは、それほど重要視していないかもしれません。

 それでも、曜日や季節、時間の経過の感覚がおかしくなっていく、というのは、確かに認知症の症状の一つだと、その後、感じることはよくありました。

 2012年4月○日のメモです。

2012年4月○日

・夕方、N整形外科クリニックに行ってきた。

 出た薬は、痛み止めの薬のセレコックス錠100mg(1日2回7日分)、カルシウムの吸収をよくするビタミンDのワンアルファ錠1.0ug(1日1回朝食後28日分)、アドフィードパップ40mg(1日2回21枚)。

 痛み止めは痛いときだけでいいだろう。

 「この前来たのは2年ぐらい前だったかねえ」と言っていた。

 実際は2月下旬だから、2か月ほど前だが。

 家に帰ってから「Oクリニックの薬はまだあるか」と聞いてきた。

 まだ1週間も経っていないが。どれくらい日が経ったかの感覚が正確でなくなってきている感じだ。