第48回 認知症介護 薬を飲み忘れたら調子がいい? その2

前回の記事「第47回 認知症介護 薬を飲み忘れたら調子がいい? その1」で、薬はなるべく少なくしたいという趣旨のことを書きました。

2018年2月22日の朝日新聞に「高齢者に減薬の『すすめ』」という記事がありました。

サブタイトルには「医師向けの指針案 主な副作用示す」とあります。

「厚生労働省は21日、高齢者に適正に医薬品を使うための指針案を有識者会議に示し、おおむね了承された。」とあり、主な副作用とその原因とみられる薬の例示を表にしています。

例えば、「記憶障害」の原因となる主な薬の種類として「中枢性などの降圧薬、睡眠薬、抗不安薬」が例示されている、といった具合です。

あくまで私の印象ですが、母の認知症を降圧薬や睡眠薬が誘発したように私は感じています。

母が薬を飲み忘れて調子がよかった頃、2014年8月半ばのメモです。

2014年8月○日

・8月△日にOクリニックに行った。

1週間薬を抜いてみようかということになり、薬は出なかった。

認知症は進んでいるのかもしれないが、この1週間ほど機嫌はいい。

怒ることはない。しゃっくりも少ない。お風呂に自分から入るということも多い。

着替えは用意しても、それまで来ていたパジャマを着てしまうようだが。

足のむくみはなくなった。

第47回 認知症介護 薬を飲み忘れたら調子がいい? その1

 私の出張の期間に、妻が母の薬を確認し忘れ、母がしばらく薬を飲まなかった時期がありました。

 母の調子はよく、かかりつけのO医師に薬について相談にも行きました。

 「第6回 認知症介護 認知症の検査 薬をどうするか」で、私は次のように書いています。

 「薬はなるべく少なく」、私は以前からそう考えています。
 父が亡くなる少し前、薬を15種類ほど飲んでいて、医師に相談して5種類に減らしてもらったことがあります。
 父の最期の入院中医師に「薬に対してかなり依存性があります」と言われ、内心「あなた方医師があれも飲め、これも飲めと出してきた薬ではないか」と感じました。

 私自身、30歳の頃に大きな病気を経験し、色々な検査をしたり、色々な薬を処方されたりしました。

 その頃読んだ福田実さんの『私は薬に殺される』は大変印象的でしたし、その後も宇多川久美子さんの『その「1錠」が脳をダメにする』や『薬が病気をつくる』、近藤誠さんの『医者に殺されない47の心得』など、興味深く読みました。

 こんなふうに書くと医者を敵視しているように思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。

 実際O医師に相談に行っているのですし。

 その頃2014年8月のメモ。

2014年8月○日

・昨日、一郎が出張から帰ってきた。

 8月×日から△日まで一郎の出張中3日間、母は薬を飲んでいないことが分かった。

 三女の秋子が引き出しを開けたら三日分の薬が出てきたからだ。

 しかし、ここ数日母の調子は悪くはない。

 しゃっくりはある程度するが、機嫌はいい。

 テレビも見ているし、話しかけても反応が遅いわけでもない。

 今日の朝も薬を引き出しにしまった。

 水が減っていないので飲んでないなと思い、引き出しを見たらやはりあった。

 追及しはしなかったが、もう一度皿に薬を載せておいた。

 飲んだかは分からない。

 夕方秋子が、おばあちゃんのポケットががさがさ言うから、薬が入っているかもと言っていたが、まだ確かめてはいない。

 今日もしゃっくりは少なく、機嫌もいい。

 薬をどうしていくべきだろう。

 明日はOクリニックに行って相談してこようと思う。

 神経内科のM病院を受診するかどうかの相談をしようと思っていたのだが。

 一郎が出張に行った初日、8月×日の夜は、しゃっくりがひどく、吐きそうな勢いのしゃっくりが3時間ほど続いていたとのことだった。

 ×日、一郎が出かける前に、母の足のむくみには気づいたが、今もそのむくみはある。

第23回 認知症介護 老いていく姿を子どもたちに見せる意味

 老いていく姿を子どもたちに見せるのは、人生後半の大切な「生きる意味」だと思います。

 人はみな老い、やがて死んでいく。

 そのことを普段は忘れて私たちは生きているけれど。

 子どもたちもどこかの時点でそれに気づき、涙します。

 現代はお年寄りが大切にされない風潮が広がっているようで残念です。

 三世代同居が減り、祖父や祖母が老いて死んでいく姿を、子どもたちが間近で見る機会が少なくなっていることも影響しているでしょう。

 「明るく、楽しく、前向きな」面ばかり、テレビなどで映されることも影響しているでしょう。

 「ばかり」ではありませんが。

 認知症介護も正直なところ、つらく、悲しいことが多いです。

 だから私も「明るく、楽しく、前向きに」といつも心がけてはいるのですが。

 子どもたちは、認知症の母が新しいことを覚えられないのを、なかなか理解できません。

 「おばあちゃん、これはこうやってやるの。この前も教えたでしょう。」と言ってしまいます。

 食事の時にこぼしたりすることが増える母に「おばあちゃん、汚い。」と言ってしまいます。

 病気のために、今までできたことができなくなっていることを、子どもたちにうまく伝えることも大事だと思います。

 ここでも「怒らない、怒らない」。

 子どもたちにも、分かるときが来ます。

 認知症患者の不機嫌の矛先は、身近で一番面倒を見ている人に向かうのが常ですが、ここでも「病気がそうさせているのだ。怒らない、怒らない。」と言い聞かせてきました。

2012年5月のメモです。

2012年5月○日

・N整形外科クリニックに行ってきた。

 出た薬は、セレコックス錠100㎎。

 1日2回7日分ということだが、鎮痛薬で痛いときに飲めばいいとのこと。

 ワンアルファ1.0ug。

 これはカルシウムの吸収をよくするビタミンD。

 1日1回で28日分。

 これは朝食後ということだが、他の薬と一緒に朝食前に飲む。

 湿布は以前のとは違うモーラステープ20mg。

 これでもひりひりするようだったら、湿布を貼るのをやめたらいいとのこと。

 N整形外科には1か月くらい前に行っているが、「整形に行ったのはもっとずっと前だと思った」と母は言っていた。

 以前もそのように言っていた。

 前は2年ぐらい前だったっけと。

 車の電動スライドドアの開け閉めの仕方が全然覚えられない。

 新しい機械の操作方法が身に着かないのはよくあることではあるけれど。

 それにしても。

 今日(2018年1月20日)の朝日新聞「be on Saturday」に「あおいけあ」社長の加藤忠相さんが取り上げられていました。

 加藤忠相さんの「あおいけあ」は、認知症グループホーム「結」のほか、いくつもの介護施設を運営しています。

 新聞記事は、「個々の『強み』引き出すケア」というタイトルでした。

 スタッフをマニュアルで管理しない、そういうケアを目指しているとのこと。

 「ケアニン」という昨年6月に劇場公開された映画は、加藤さんの施設をモデルにしています。

 より良い介護を目指して行動する立派な人がたくさんいますね。

 朝日新聞の記事はこちら。→「個々の『強み』引き出すケア