第61回 認知症介護 医師との連携

 母の認知症介護をしてきて、多くの人に助けてもらいました。

 ケアマネジャー、デイサービスのスタッフの方や所長さん、地域包括支援センターの方、母の妹さんや私の兄、そして家族。

 今はグループホームのスタッフの方々。

 もちろん、ずっと診ていただいていたかかりつけの医師は言うまでもありません。

 前回、薬の悪影響について書きましたが、関わってくださった多くの医師も、母が少しでも楽になるようにとか、介護する家族が少しでも楽になるようにとか、色々なことを考えて、対処してくれたはずです。

 認知症介護においては、様々な大変なことが起きますから、家族だけで対処せず、多くの人に助けてもらうことが大事です。

 これは何度でも繰り返したい大事な点です。

 医療には医療の限界が、行政には行政の限界があるにしても。

 2015年2月のメモです。

2015年2月○日
・Oクリニックに行ってきた。

 月に一度の定期の診察。

 O先生に見せるために妻が書いた母の様子のメモには、結構深刻な感じで書いてあったから、O先生も心配して、介護する家族のために薬を出そうかと提案してきた。

 一つは、認知症の進行を遅らせるパッチ薬。

 もう一つは、不穏になった時に飲ませて落ち着かせる液体の飲み薬。

 どちらももらってこなかった。

 O先生は日に当たることが大事だとか、朝起きてご飯を食べるときに着替えることが大事だとアドバイスしてくれる。

 それは分かってはいるが、なかなかそううまくはいかない。

 O先生の「ごはん食べた」などの質問に、母は「ごはんと味噌汁」のように、適当に合わせて答えていた。

 先生が「菓子パン? トースト? 」と尋ねると「トースト」のように。

 本当はトーストなど食べていないのに。

第55回 認知症介護 「年より笑うな行く道だもの」

 母がグループホームに入ることになったのが2015年8月。

 その事件が起きたのはその半年ほど前のことでした。

 母の認知症の症状としては色々なものがありましたが、排便を失敗することはあまりありませんでした。

 とはいえ、ベッドの横に濡れたバスタオルがあることが時々ありました。

 どうやら漏らしたおしっこをふいたようです。

 漏らすのが気になるのか、こまめにトイレに行っていた印象でした。

 しかし、ティッシュを尿漏れパッドのようにパンツにセットしては、それをトイレに流しているようだったので、トイレがつまってもいけないと思い、その頃は紙パンツをはいてもらうことにしていました。

 その方が母本人も少し安心かもしれないと考えたからです。

 実際はどうだったか分かりません。

 不快感があったかもしれません。

 その日、私が風呂を洗いに風呂場に行くと、なんと、うんこがありました。

 しかも、たっぷりと。

 お風呂とトイレの判断がつかなかったのでしょう。

 私は苦笑しました。

 以前父が高熱を出したとき、机の上にあったタオルを服を着るような動作で着ようとしていたのを思い出しました。

 タオルと服の区別がついていないようでした。

 父は認知症ではありませんでしたが、高熱のために一時的に認知機能が落ちたのだと思います。

 また、私が大学生の頃、泥酔した友人が階段の踊り場でおしっこしたのも思い出しました。

 酔いのために一時的に判断力が落ちたのだと思います。

 「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの」。

 永六輔さんの『無名人 名語録』に収録されている言葉だそうです。

 父と母の晩年を見てきて、私もこの言葉をかみしめています。

 2015年1月のメモです。

2015年1月○日
・昨晩、おばあちゃんがお風呂でうんこをした。

 下痢便が少し漏れたというレベルではない。

 洗い場の方の排水溝の網のところに、かなりの量のうんこがあった。

 洗い場でして、あそこに隠したのだろうか。

 割り箸でつまめるような固形のうんちだった。

 一郎が手袋をして割り箸でつまんでトイレに流せる掃除用の紙に包んで、トイレに流した。

 うんこのついた髪の毛や、割り箸はやはり紙に包んで、ビニール袋に入れ、捨てた。

 妻は「これから毎回だよ」とか「おばあちゃんに処理させてもだめかなあ」とか、悲観的なことを言う。

 いずれにせよ、新しい段階に入ったようだ。

第49回 認知症介護 薬を飲み忘れたら調子がいい? その3

 2014年の8月、9月は母の状態が比較的いい時期でした。

薬を飲み忘れたのをきっかけに、薬をぐっと減らしてみたのです。

認知症介護の大変なところは、症状がよくはならないこと。

よくて現状維持で、徐々に悪化していくことです。

ものが処分できず、冷蔵庫の中が臭くなったり、部屋が臭くなったりする。

火の不始末が心配になってくる。

大変なこと、心配なことは、挙げていけばきりがありませんが、それでも、本人が機嫌よくしていてくれれば、介護する側はほっとできます。

2014年9月のメモです。

2014年9月○日

・薬はずっと抜いている。

何の薬も飲んでいない。

S社のサプリも飲んでいない。

薬を飲んでいた時より、機嫌がいいのが何よりだ。

三女の秋子に怒ったりすることもたまにあるが、以前よりはずっと少ない。

しゃっくりの回数も少ない。

認知機能が改善したということはおそらくないが、7月のころのような激しい怒りや泣きわめきはない。

食事も夕食に関してはきちんと食べている。

朝は妻がいろんなものを出し、食べたり食べ残したり。

昼は把握しきれない。

いろんなものがゴミ箱に捨ててあることも多い。

今日はミニカップラーメンが二つふたを開けただけの状態で、広告用紙にくるんで捨ててあった。

今日は美容院に行ってきたが、帰って来てからカップラーメンのことを聞いてみると、カビが生えたようにガチガチだったから捨てたとのこと。

カップラーメンがそういうものであり、お湯をかけてしばらく待って食べるということが分かっていないようだった。

そもそもティファール(湯沸かし器)は今まで家にあって使ってきたものではなく、新しいものだから、やはり使い方が分からなかったようだ。

少し前はカップラーメンを鍋に移し、インスタントラーメンのように煮て作っていたが、それも怪しくなってきた。