第118回 認知症介護 確定申告の医療費控除

 母のグループホームにかかる費用のほとんどは、確定申告の医療費控除の対象になっていません。

もちろん、月々の薬代や診察代は対象になります。

介護用の紙パンツや尿漏れパッドも、医師の証明書があれば対象になります。

ただ、請求書や領収書が届くのは、2か月遅れくらいですので、12月分の領収書が届くのは2月か3月です。

確定申告の医療費控除は12月分までが対象ですが、医療費控除の計算をしようとした1月の時点では11月分と12月分が分かりません。

ですので、11月分と12月分の紙パンツ代は、グループホームに尋ねなければなりません。

診察代と薬代も尋ねなければならなかったのですが、この時は忘れていて、また後日に尋ねることとなりました。

医療費などについては、一定額を超えた分が戻ってくるような公の制度がありますので、その手続きをきちんとしなくてはいけません。

正直、面倒に感じることもありますけれど。

2019年2月のメモです。

2019年2月○日

・1か月以上面会に行く間隔があいてしまった。

三女の秋子はクラブの試合があり、妻はピアノの調律が来るから掃除しなくてはと、結局私が一人で行った。

確定申告の医療費控除に必要な医療費や薬代の領収書が、11月分と12月分はまだ届いていないのでもらえないかとお願いしたら、用意してもらえたので、それを受け取った。

普通は毎月送られてくる月々の請求書や領収書と一緒に入ってくるのだが、それにしても、2カ月遅れくらいで来るので、こうでもしないと、2か月分の医療費が控除されなくなるのだ。

11月と12月の紙パンツ購入にかかった費用は少し前に聞いていたのに、その時は医療費と薬代の領収書については、思い至ってなかった。

母はあいかわらず「お家に帰りたい」、「腰が痛い」と何度も言っていた。

こちらが話しかけると、オウム返しするようには答えられるので、意味が分かっているのかどうかは分からないが、少なくとも音は聞こえている。

以前から母は耳がいい。

ただ、母から何か言うことも時々あったのだが、そのほとんどは私が聞き取れなくて、聞き返しても分からなかった。

「家に帰りたい」という希望もかなわない。

「腰が痛い」という苦痛も取り除けない。

思いを伝えることもままならない。

母の気持ちを思うと、やはり胸がふさがる。

第87回 認知症介護 母を美容院へ 

 認知症になった母が家で過ごした最後の頃、最もお金をかけていたのは美容院でした。

 私たちが子供のころからいつも経済的には余裕がありませんでしたから、両親が一番お金をかけたのは、子どもたち(つまり私の兄弟)の食費だったと思います。

 「病気になってお金を病院に持っていくくらいなら、健康にいいものを食べることにお金を使わなくてはね」と母はよく言っていました。

 蛇足ですが、私と私の兄が自宅外の都会の私立大学に通うことになったので、両親は自分たちの保険を解約して、私たちの学費を工面してくれたのでした。

 もちろん、兄も私も奨学金を借りました。

 それで何とかしのげたのです。

 両親には感謝しても感謝しても感謝しきれません。

 そういう状況でしたから、母は衣装などにもあまりお金をかけていませんでした。

 ただ子どもたちが手を離れ、孫の面倒を見る頃になって、母は美容院にはそれなりにお金を使うようになりました。

 特に父が亡くなってからです。

 ですからほんの数年のことです。

 認知症が始まっていたことも関係するかもしれませんが、想像するに、美容師さんに勧められるがままに、パーマ液などにもいいものを使い、シャンプーもいいものを買っていたようです。

 母のお金がなくなった「事件」を少し探っていったことがありましたが、母がなくなったと思っていたお金は、美容院に払っていたようでした。

 1回につき約3万円。

 パーマやカット、カラーリングだけではなく、シャンプーか何かを買う代金も含めての金額ですが、妻は「庶民が一回の美容院で3万円なんて」と言っていたこともありました。

 グループホームに入る前までは、私が美容院まで母を送っていき、美容師さんにお願いして、終わったら私のケータイに電話をしてもらい、迎えに行って支払いをする、というようにお願いしていました。

 グループホームに入ってからは、グループホームのスタッフの方が、母を美容院まで連れて行ってくれました。

 終わると美容師さんが、スタッフさんに電話して迎えに来てもらい、支払いは私が後日する、という形にしてもらいました。

 グループホームの方には、本当によくしてもらっています。

 ありがたいことです。

 グループホームに入って1年か2年は、そのような形で、美容院に連れて行ってもらっていました。

 それも、いつからかグループホームに来てくれる理髪師にお願いするようになっていました。

 初めの頃に、その理髪師に頼むか、美容院に連れて行くかという相談はありましたが、1年か2年が経過し、何となく、自然に理髪師にしてもらうようになりました。

 それほど遠くない将来に、そうなるだろうことは予想もしていましたし、いつまで美容院に数万円かけるか、と私も考えていましたから。

 母がグループホームに入って、8カ月ほど経った2016年3月のメモです。

2016年3月○日

・母を以前行っていた美容院に連れて行ってもらった。

 グループホーム「S」の人に午後1時に連れて行ってもらい、4時ごろに迎えに行ってもらう。

 そしてそのあとに私が支払いに行く。

 以前は3万円近くしたが、内容を一部変更するようにお願いして2万円位になるようにしてもらっている。

 今はパーマとカットで11,000円、カラーが5,000円、シャンプーが500円、トリートメントが1,000円、合計17,500円の消費税で18,900円。

 前回は10月△日だった。

第57回 認知症介護 電気あんかはいいか

 母をグループホームに入れる決断をした大きな理由は二つでした。

 一つは、母が音を立てることが多くなり、家族の睡眠に影響するようになってきたこと。

 もう一つは、火事の心配が増えてきたことでした。

 そのあたりは、「第53回 認知症介護 ドンドン音をたてる」にも書きました。

 母は足が冷たいと訴え、しきりに湯たんぽを使いたがりました。

 母の部屋に行くとすごい湿気でした。

 ガスコンロでお湯を沸かすのです。

 母がやかんでお湯を沸かし、熱湯を湯たんぽにそそぐ。

 私が湯たんぽを触ってみると、まだ十分暖かいこともしばしばでした。

 20分か30分前にもお湯を沸かしているのです。

 火事の心配、母の火傷の心配が高いと感じました。

 そこでかかりつけのO医師に相談しました。

 O医師は、電気毛布や電気あんかを勧めてくれました。

 それで早速家電量販店に行き、電気毛布も電気あんかも買いました。

 火事になったり、火傷をしたりするよりは、安い物だと考えました。

 でも、結果からすると、電気毛布も電気あんかもそれほどよくはありませんでした。

 電気毛布について、私が心配していたのは四六時中つけっぱなしにすることでしたが、むしろ母はしょっちゅうスイッチを切っていました。

 電気毛布の暖かさが心地よくないのか、スイッチの消し忘れを気にして、しょっちゅう消していたのか分かりません。

 電気あんかも使い慣れたものではないので、母が自分から使うことはなかなかしませんでした。

 母がグループホームに入ったあと、どちらも処分しました。

 必要経費だったと思っています。

 2015年1月のメモです。

 母をグループホームに入れる決断をしかけている頃です。

2015年1月○日
・1週間ほど前におばあちゃんをOクリニックに連れて行った。

 1か月に一度の定期健診だ。

 幻聴が聞こえているかのような独り言が多くなってきたこと、不機嫌になることが多くなってきたこと、おかずにやたらしょうゆをかけたがること、一度お風呂で大便をしたこと等をメモ用紙に書いて伝えてきた。

 中でも湯たんぽのお湯や、髪をなでつけるお湯を頻繁に沸かすので、火事と火傷の心配があることも伝えた。

 電気毛布や電気あんかがいいと勧められたので、早速翌日に買いに行った。

 しかし、適切にスイッチを付けたり消したりが出来ないので、心配は尽きない。

 ずっとつけっぱなしを心配していたが、結構消している。

 あんかは自分からは使わない。

 新しいものだから使い方がよく分からないのだろう。

 説明しても分からない。

 それで、結局はお湯を沸かしているので、火の心配は変わらない。

 電気毛布を使い始めて、多少湯を沸かす回数が減ったかなという程度だ。

 ティファールを使ってくれれば危なくなくていいのだが、使えない。

 家が燃えてしまうリスクを考えると、もう施設に預けてしまうのがいいような気もしてくる。

 母は悲しむだろうから、なかなかその決断はできない。