第97回 認知症介護 認知症、前を向くために その3

「認知症、前を向くために」という特集記事が、朝日新聞のオピニオン欄にあります。

今日(2018年12月16日)はその第3回で、「共に生きるまち」がテーマです。

まず、朝日新聞デジタルのアンケートに寄せられた声の一部が紹介されています。

「認知症だって、風邪や骨折と同じ。恥ずかしいことでも悪いことでもない」という10代女性の声もあります。

特に共感したのは、訪問介護に携わっている50代女性の声です。

「訪問介護の現場で、長く生きすぎた、死にたい、といわれる高齢の方に出会います。役割を奪われ、生きがいを感じることができなくなっている。でも、どの方も豊かな社会経験、様々な知識と知恵を持っている。それをお聞きすることはとても興味深い。『頑張ってこられたんですね』というと、うれしそうにされます。『対話』する福祉が大切と思います」。

私の母にも、豊かな社会経験や子育ての知恵があり、なかでも子育てに注いだエネルギーには相当なものがあり、それが私の母への大きな感謝につながっています。

記事では、「DFJI‐Zoomカフェ」が紹介されています。

「DFJI」というのは、認知症フレンドリージャパン・イニシアチブのことで、その「DFJI」がZoomというインターネットのテレビ会議システムを使って、認知症の本人や家族らの新たな交流を始めているというのです。

ちなみに初めの「D」は、認知症を意味する英語の「Dementia」の頭文字です。

認知症の関連ではこの「D」がよく出てきますね。

このテレビ会議は2017年8月に始まり、すでに240回以上開かれているそうです。

「同じ境遇の人に出会える心強い場所」になるかもしれません。

「DFJI」のウェブサイトはこちらです。→「DFJI」

記事にはさらに「認知症にやさしいまちづくり」に取り組む町田市の取り組みも紹介されています。

認知症の人や家族が安心して暮らせる地域であるためには、何が必要なのか。

当事者だけでなく、様々な分野の先駆者が集まって話し合う「まちだDサミット」というのが先月開催されました。

この「D」も「Dementia」の頭文字ですね。

町田市が本格的に「認知症にやさしいまちづくり」に取り組み始めたのは2015年。

市内のスターバックスコーヒーでは、認知症の人や家族が交流する「Dカフェ」が開かれています。

この「D」も「Dementia」の頭文字ですね。

「認知症、前を向くために」は、来週12月23日が第4回。

全4回の最終回です。

第96回 認知症介護 いまさらアリセプト処方?

認知症の母がグループホームに入ったのは2015年8月のことでした。

2012年2月に認知症と診断されて、まもなく認知症薬のアリセプトを飲むことになりました。

2012年3月からアリセプトを飲み始め、別の認知症薬メマリーに移行して、グループホームに入ったときにはリスパダールという薬だけにしていました。

もちろんずっとお世話になってきたO医師と相談しての結果です。

なのに、なのに、なのに、(わざと繰り返しています)、グループホームに入ってから1年以上経った2016年11月に、グループホームの医療を担当している医師から母にアリセプトが処方されたのです。

そんなことってあるのでしょうか。

認知症の薬の使い方について詳しく知っているわけではありませんが、認知症の進行を遅らせる効果しかないという薬の性質上、一度飲んで、別の薬に移行した後、またアリセプトに戻るのは、ありえないのではないかと私は考えたのです。

もしかするとありえるのかもしれませんが。

私はグループホームに入るにあたって、母の認知症のそれまでの経過や生活状況、現在飲んでいる薬、終末期についての要望などを紙に書いて、グループホームの方に提出しました。

グループホームには提出したものの、それが医師にまで伝わっているとは限らないと考え、過去のカルテを確認してもらいたいと担当の医師に手紙を書きました。

その後、特段それについての説明は受けていないので、私は今も状況が分かっているのかと医師を少し疑っています。

実はその担当医師と母がお世話になってきたOクリニックとは近い関係で、カルテを確認することは何でもないはずだと思うからです。

聞きにくいので聞いていませんが、今度グループホームの方に、今飲んでいる薬を確認したいと言ってみようかな、と思っています。

グループホームのスタッフの方々とは関係も良好で、聞けないことはないと思いますので。

2016年11月のメモです。

2016年11月○日

・グループホーム「S」からの「おたより」に、アリセプトが処方されたとあった。

先月の「おたより」に認知症の薬が必要かもしれないと担当の医師が言っていたとあったので、もしかしてカルテを見ていないのかなと思い、アリセプト、メマリー錠など、薬の経過などを少し書いて、Oクリニックにあるカルテを確認してほしい旨の手紙を書いた。

書いたもののその手紙をグループホームに渡しに行くのが遅れた。

それで今日届けてきた。

手紙の内容も責任者のIさんとケアプランを作ったMさんに話してきた。

日常の様子を聞いたり、元々のおばあちゃんの性格や小さいころのつらい経験が激しい独語として表れているかも、ということも話してきた。

 母の様子は、少しぼーっとした顔つきで、息子だという認識も怪しい感じはした。

第95回 認知症介護 認知症、前を向くために その2

 「認知症、前を向くために」という特集記事が、朝日新聞のオピニオン欄にあります。

 今日(2018年12月9日)はその第2回で、「医療の役割」がテーマです。

 「医者の対応にとても怒りを感じました。同じような患者を何人もみているからか、とても冷たく、いずれ、何もできなくなり、家族で面倒が見られなく施設にいれることになると。」と50代の女性。

 医師がみんなそうではないとは思いますが、同じような気持ちになった人はたくさんいることだろうと思います。

 ご主人が56歳で軽度認知障害と診断され60歳ごろにアルツハイマー型になったという50代女性の「若年性認知症に理解と支援をお願いしたい」という言葉もありました。

 「超高齢の方には余計な医療で負担をかけない『脱医療化』も考えるべきです」と主張する東京都立松沢病院院長の斎藤正彦さん。

 斎藤医師は「それまで当たり前にできていた料理がうまくつくれない、なぜいま自分がここにいるのかわからない――。そんなとき、だれよりも不安や恐怖を感じているのは患者さんご本人です。そしてそのつらさは、体験している本人しかわからない。そのことを理解していない医療者に、まともな認知症のケアなどできません」と言います。

 このような医師がもっともっと増えてほしいものだと感じます。

 「薬より『伴走』 患者ごとに」という見出しの部分では、大阪市の認知症専門クリニックの院長、松本一生さんが紹介されます。

 1人につき約15分、およそ1か月に1度の面接で松本さんが重視するのは、残っている機能を見つけ「あなたの本質は変わっていない」と伝えることだそうです。

 こうして患者の不安に寄り添っているのです。

 副作用がある割に効果が弱いという理由で、日本で使われている4種類の抗認知症薬が、フランスでは公的保険の対象から外されたことにも触れられていました。

 これは今年8月のことで、このブログでも「第62回 認知症介護 認知症薬 仏が保険適用除外」という記事を書きました(2018年7月7日)。

 兵庫県立ひょうごこころの医療センターの小田陽彦さん(認知症疾患医療センター長)の「よく効いたと判断できるのは40人に1人くらい。ほとんどの人にとっては意味がありません」という言葉もありました。「認知症、前を向くために」は、来週12月16日が第3回。

 全部で第4回までの予定のようです。