第64回 認知症介護 リスパダール

 リスパダールというのは、認知症の薬ではありません。

 統合失調症の薬で、精神状態を安定させる薬のようです。

 母の自宅での介護ももうそろそろ無理かなと思い始めた2015年3月頃、家族の睡眠を確保するために、リスパダールが母に処方されました。

 「8050問題」(下に注あり)も大きな問題ですが、子育て中に介護を担う「ダブルケア」も問題です。

 子どもたちの生活も考えてやらなくてはなりません。

 2015年3月のメモです。

2015年3月○日

・Oクリニックに相談に行ってきた。

 独り言に加え、カンカンと音を出すようになり、子どもたちを守ってやるには、今後どうしていったらいいかと。

 まずは、夜寝てもらうために、「リスパダールOD錠1㎎」(ODというのは、口腔内崩壊錠。口に入れれば水を飲まなくても溶けていくという薬。

 1㎎の薬しかないが、0.5㎎ということなので、半分に割ってある。)という薬を出してみようと。

 これは、「脳の神経に作用して、興奮、不安、緊張状態などを鎮め、精神状態を安定させる薬」とのこと。

 認知症の適用ではなく、統合失調症の適用らしい。

 これを夕食後に飲ませて、夜安静にしてもらおうと。

 一方、グループホームは空きが出ないとなかなか入れないので、その前に、デイサービスに行って、一日のリズムを作っておきたいと。

 グループホームは認知症の人ばかりだから、周りに迷惑が掛かってということは、そう気にしなくても大丈夫とのこと。

 しかし、O医師は母がデイサービスの「○○○○」に行っていたことや、それを苦にしていた独り言を言っていたことなどは覚えていないようだった。

 「○○○○」がどこにあるかも忘れていた。

 ケアマネのNさんに、グループホームの空きがあったら教えてほしいと伝えておいた方がいいかもしれない。

※ 8050問題(読み方:ハチマルゴーマルもんだい)
ひきこもりの子をもつ家庭が高齢化し、50代の中高年のひきこもりの子を80代の後期高齢者にさしかかった親が面倒見るケースが増えている、という社会問題のこと。(weblio辞書より)

第63回 認知症介護 独り言 家族への影響

 母をグループホームに入れることを本格的に考え出したのは、2015年の3月頃からでした。

 次女の夏子が高校2年生になるころです。

 深夜や早朝に激しい独り言を母が言うので、家族の睡眠に影響するようになっていたからです。

 もちろん、次女の受験勉強に影響することも心配しました。

2015年3月○日
・朝5:30、「○○ちゃん(三女秋子の名前)が『ばばあはおるか。男はおるか。』と大きい声で言っているから寝られない。毎晩毎晩おばあちゃんを騙して。○○ちゃんに聞いてきて。とにかく腹が立つわ。」と母が訴えてきた。

 こういう時は顔つきも変わっている。

 当然だが怒った顔つきになっている。

 三女の秋子や次女の夏子への影響を考えると、どこかに収容してもらった方がいいかもしれないと考え始めている。

 3月△日×日は、長女の春子の引っ越しと掃除のために家族で北陸に行ったので、兄に来てもらい母の面倒を見てもらった。

 母の面倒を見る大変さの一端を分かってもらえたようだ。

 数日前に、母の独り言を秋子がメモした。

 「男なんかいないよ。だれがどばあしてるの!ああ○○ちゃんいるよ。うどん食べとったよ、○○ちゃんは。そこへあんぱんいくか!ほんとにさそりますか!弁当箱なんてないよ。○○ちゃんもいないよ。おばあちゃんだけいるでね。何度も何度もだまして!修学旅行に行くか!○○ちゃんがいるよ。男がいるか。男がいるか。テレビつけれないよ。そんな電話は通じないわ!○○ちゃんがいるよ。○○ちゃんがね。男はいないよ。もう帰ったよ。おなかがすいて眠れません!」

 それから、最近はよくゴミ箱やらやかんのふたやらテーブルやら、色々なもので「トン、トン、トントン」または「トン、トン、トントントン」というリズムでたたく音がする。

 夏場になって窓を開けるようになったら、これもうっとうしがられるだろうと思う。

 知的障害のある子がよく同じリズムで同じことを言ったりしているのと同じような感じだ。

 何のリズムかは分からない。

 「第55回 認知症介護 『年より笑うな行く道だもの』」で書いたように、母が風呂場でうんこをしたことも、様々な独り言を言ったことも、決して笑ってはいけないと思っています。

 私自身、「私も将来同じことをするかもしれない」と思っています。

 誰にでも起きうることです。

 反対のことを言うようですが、誰にでもあることと笑い飛ばすくらいの気持ちで対処するという意味では、笑い飛ばすのも悪くないと思います。

第62回 認知症介護 認知症薬 仏が保険適用除外

 「副作用の割に効果低い」ということで、日本でも使われている認知症の薬がフランスで医療保険の適用対象から外されることになりました。

 2018年6月24日の朝日新聞朝刊で見ました。

 対象はアリセプト、メマリー(いずれも商品名)などの4種類です。

 もちろん、私の母にも処方されましたし、認知症の薬に限らず、認知症を誘発したのではないかと思われる薬についても、このブログの中でたびたび触れてきました。

 以下の記事なども参照してください。

第15回 認知症介護 認知症の薬 アリセプト」
第44回 認知症介護 認知症の薬 メマリー
第46回 認知症介護 抑肝散という薬
第60回 認知症介護 『飲んではいけない認知症の薬』

 朝日新聞の記事では、日本で2015年4月から2016年3月にかけて、処方された抗認知症薬の量は、オーストラリアと比べ、少なくとも5倍多いとのこと。

 「日本では安易に抗認知症薬が使われている印象だ」という専門家の言葉も紹介されています。

 「第60回 認知症介護 『飲んではいけない認知症の薬』」で紹介したNPO法人医薬ビジランスセンター理事長の浜六郎さんの言葉をもう一度紹介しておきます。

 「認知症という診断がなされたら、まずすべきことは、『認知症用の薬剤を服用する』ではなく、『何か薬剤が悪さをしていないか点検する』ことです。そして、あわてて、認知症用の薬剤を服用し始めないことが大切です」